
「リゾートマンションは買ってはいけないってホント?」
「どんな人に向いてる?物件購入で後悔しないための対処法は?」
都会の喧騒を離れて、自然に囲まれた暮らしに憧れる──そんな想いから、リゾートマンションの購入を検討する方は少なくありません。
しかし、実際に所有してから「思っていたのと違う」と後悔するケースも多く見受けられます。
どんな「買ってはいけない理由」があるのか?そして、物件購入で後悔しないためにはどんな対処が必要なのか。
この記事では、物件購入の検討段階で押さえるべき注意点と、後悔を回避するための対策をわかりやすく解説していきます。
- 管理費や修繕積立金の負担が大きく、長期的な維持費が予想以上にかかる。
- 利便性や交通の不便さから、売却や賃貸に出す際に苦戦する可能性が高い。
- 築年数が経過した物件は老朽化が進み、資産価値が下がりやすい傾向がある。
「リゾートマンションは買ってはいけない」と言われる背景には、費用面や流動性、老朽化といった現実的な問題があります。購入を検討する際は、夢の暮らしだけでなく、将来的な負担や売却のしやすさまで見据えて判断することが大切です。
【結論】リゾートマンションは買ってはいけない?
結論から言えば、リゾートマンションは「買ってはいけない」と感じるケースがとても多いです。安くて魅力的に見えても、実際に所有すると、想像以上の負担とリスクがのしかかってきます。
まず、管理費と修繕積立金が想像以上に高額です。実際、月に5万~10万円ほどかかる物件も珍しくありません。都心のファミリーマンションの倍以上かかることもあり、「使わない月も払い続ける」この固定費は、かなり重くのしかかります。
さらに、購入後に初めて知るような落とし穴もあります。例えば、所有者の高齢化で管理組合が機能していないケース。修繕計画が進まず、建物の老朽化が放置され、資産価値がどんどん下がっていくのです。そして、いざ手放そうとしても、買い手がつかない。値下げしても売れない。売却まで何年もかかった…という話もよく聞きます。
「安い=お得」ではなく、「安い=理由がある」。これはリゾートマンションでは特に当てはまります。実際に購入した人の声を調べると、後悔の理由はどれもリアルで、決して他人事ではありません。
夢のセカンドハウスのつもりで買ったはずが、気づけばお荷物に…。そうならないためにも、リゾートマンション購入は慎重すぎるほど慎重に判断するべきです。
リゾートマンションを買ってはいけない理由(デメリット)6選
一見すると魅力的に映るリゾートマンションですが、購入後に「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。
リゾートマンションのどういった点に後悔してしまうのか。
ここからは、その具体的なリゾートマンションを買ってはいけない理由(デメリット)6選を解説します。
購入前に知っておきたい具体的な注意点もあわせてまとめていきます。大きな買い物だからこそ、失敗しないための冷静な判断が大切です。
管理費や修繕積立金の負担が思った以上に重いから
「意外と維持費がかかるんですね…」と、購入後に驚く人が多いのがリゾートマンションの特徴です。販売価格が安くても、毎月の支出をよく確認していないと後悔することになります。
実際、都心の一般的な分譲マンションでは、管理費と修繕積立金を合わせても月2万円程度が目安です(出典:マンション総合調査結果)。
ところがリゾート物件の場合、大浴場や温泉、共用ラウンジなどの施設維持にコストがかかり、月3万~5万円を超えるケースも少なくありません。㎡単価で見ても200~800円ほどに跳ね上がることもあり、広さによっては月額7万円近くになることさえあります。
たとえば、60㎡前後のマンションであっても、年間の維持費が40万円を超えることは珍しくありません。しかも、その金額は「使っていない月」でも当然かかります。
購入前は「週末だけ使うつもりだから…」と思っていても、実際に行く頻度が減れば、月々の支払いが重くのしかかります。使わない施設に毎月数万円払っていると、だんだん割り切れなくなってくるのです。
購入価格の安さにばかり目がいくと見落としがちですが、本当に考えるべきは“持ち続けた場合のコスト”です。リゾートマンションは、そのランニングコストの重さゆえに「買ってはいけない」と言われる理由の一つになっています。
長期滞在には生活利便性が著しく低いから
リゾートマンションは、風景は素晴らしいですし、空気もきれい。ただ、いざ“暮らす”となると話は変わってきます。というのも、日々の生活に必要なものがすぐ手に入らない場所が多いのです。
例えば、スーパーやドラッグストアが車で30分以上というエリアも珍しくありません。買い物一つにしても、車を出さないと何もできない状況は、想像以上にストレスになります。ましてや、雪深い地域や山間部では冬場の外出が命がけに近い日もあるのです。
また、医療機関や役所も遠いことが多く、定期的な通院が必要な方や、公共交通を使いたい方にとってはかなり不便です。実際、「老後にゆっくり暮らすつもりだったけど、病院が遠くて引っ越しを決めた」という声もネット上では散見されます。
リゾートマンションが「買ってはいけない」と言われる理由には、この“生活インフラの弱さ”が大きく影響しています。自然の中でのんびり…という夢が、日々の不便でじわじわと苦痛に変わってしまう。そんな現実を、あらかじめ知っておくことが大切です。
築年数が古いと設備の老朽化が進行しやすいから
築年数の経ったリゾートマンションを見ていると、「価格が安くてお得かも」と感じることがあるかもしれません。ですが、その安さの裏側には“設備の劣化”という厄介な問題が隠れているケースが多々あります。
例えば、築30年を超える物件では、給湯器や配管、受水槽、エレベーターといった共用設備が交換時期を過ぎていることも珍しくありません(出典:長期修繕計画作成ガイドライン)。それにもかかわらず、修繕積立金が足りていないという話はよくあります。管理組合の運営が緩やかになり、計画的な修繕が進まず、結果として不具合が放置されている物件も見受けられます。
特に問題なのが、住民の高齢化。建て替えの話が出ても、費用や合意形成のハードルが高く、話が進まないまま年月だけが過ぎていくというケースもあります。その間に外壁のひび割れや設備の故障が表面化し、いざ修繕するとなると多額の費用が必要になってしまうのです。
「リゾートマンションは買ってはいけない」と言われるのは、こうした“見えにくい負の資産”が存在するからです。物件そのものだけでなく、管理体制や過去の修繕履歴、積立金の残高まで丁寧に確認しないと、思わぬトラブルに巻き込まれるリスクがあります。
売りたい時に買い手が見つからないことがあるから
リゾートマンションを手放そうとしたとき、「あれ、全然反応がない…?」という状況になることがあります。とくに築年数が古い物件は、その傾向が顕著です。
今でもバブル期に建てられた物件が市場に多く残っていて、供給過多になっているエリアもあります(出典:参考資料)。代表的なのが越後湯沢などのリゾート地。かつては人気だったものの、現在では利用頻度の少なさや維持コストの高さから敬遠される傾向にあり、「売りたくても売れない」という声が目立ちます。
実際、不動産ポータルに掲載しても半年以上反応がなく、ようやく買い手が現れたと思ったら価格はほぼ“タダ同然”だった…というケースも珍しくありません。その間も管理費や修繕積立金、固定資産税は変わらずかかり続けます。
気づけば「使ってもいないのに毎月お金が出ていく」状態が何年も続いてしまう。この出口の見えなさこそが、リゾートマンションの大きな落とし穴なのです。
購入前にはどうしても「買うこと」ばかりに意識が向きますが、実は“売れるかどうか”の視点こそ重要です。資産として持つ以上、いつでも手放せる柔軟さがなければ、ただの負担になってしまいかねません。
管理費滞納や修繕金不足のリスクがあるから
リゾートマンションを選ぶときに、つい見落とされがちなのが“管理費の未納”や“修繕積立金の不足”という問題です。ところが、これは本当に深刻で、自分がまじめに払っていても、他の所有者の未納分まで巻き込まれる可能性があるのです。
たとえば、ある物件では未納が続いたせいで、修繕積立金が底をつき、結果として急きょ一時金を徴収されるという事態に。数万円~数十万円をまとめて払うよう言われ、困惑したという声も少なくありません。
国土交通省の資料でも、管理費の滞納や修繕金不足が深刻化し、管理組合が事実上機能停止しているケースがあるとされています。そして、それは特別な話ではなく、高齢化が進む地方のリゾートマンションでは、意外とよくあることです。
中には、滞納額が数千万円単位に膨らみ、裁判や競売にまで発展している物件も(出典:高経年マンション管理の実態と課題)。住民同士の関係もギスギスしはじめ、マンションの価値そのものに影響を及ぼすケースもあります。
だからこそ、購入前には「今いくら未納があるのか」「将来どれだけ修繕が必要か」まで丁寧に確認すべきです。“安くてお得”の裏側に、管理不全のリスクが潜んでいることは、知っておいて損はありません。
税制上不利になりやすくローンも組みにくいから
リゾートマンションは安く買える印象があるかもしれませんが、実は「税金とローン」の壁に悩まされることが少なくありません。買った後に「こんな負担があったのか」と気づいても、もう後戻りできないのが現実です。
まず税金の話から。リゾートエリアでは、一般的な固定資産税に加えて“別荘等所有税”が課される自治体もあります。例えば静岡県の熱海市では、1立方メートルあたり年間650円ほどの課税があるとされており、意外と大きな出費になります(出典:別荘等所有税とは)。つまり、建物の広さに比例して、毎年数万円単位の支払いが発生してしまうわけです。
そしてもう一つがローンの問題。住宅ローンはあくまで「主に住む家」のためのもの。リゾートマンションのようなセカンドハウスは対象外になりやすく、利用できたとしても“セカンドハウスローン”や“フラット35(セカンドハウス用)”など、審査が厳しくなったり、金利が高くなったりする傾向があります(出典:セカンドハウスのお申込みについて)。金融機関によっては1%近く金利が上がることもあるため、月々の返済額にもじわじわ響いてきます。
結局のところ、「安く買えたからお得」という単純な話ではないのです。購入前には、物件の価格だけでなく、税金や金利といった“隠れたコスト”をしっかり把握しておく必要があります。夢のマイリゾートが、じわじわと負担に変わっていかないように、事前のチェックは欠かせません。
買ってはいけないと言われても狙い目なリゾートマンションの特徴
「リゾートマンションは買ってはいけない」とよく言われますが、中には例外も存在します。
購入後の後悔を避けるには、見極めの目を持つことが大切です。
物件選びにおいて押さえておきたいポイントは、立地や管理体制、共用設備の質など。しっかり条件を絞れば、“買ってよかった”と思える物件にも出会えます。
ここでは、買ってはいけないと言われても狙い目になり得るリゾートマンションの特徴を紹介します。
管理体制がしっかりしている物件
「リゾートマンションはやめた方がいい」と言われる理由のひとつに、管理がずさんな物件の多さがあります。だからこそ、購入を検討するなら“管理体制がきちんと機能しているか”を最優先で見ておくべきです。
実際、共用設備が豊富なリゾート物件では、日々の清掃や温泉の水質管理、防犯体制まで気を配る必要があります。そうした運営を支えるのが管理会社の質です。地元密着で定期点検を怠らない会社に任されている物件は、全体的に雰囲気が良く、住民の満足度も高い印象です。
最近は「第三者管理方式」といって、住民ではなく外部の専門家が理事を務めるケースも増えています(出典:マンション標準管理規約)。管理が透明で、揉めごとが起きにくく、修繕の計画も着実に進んでいるなど、長く付き合えるマンションに共通しているのは“人が関わる仕組み”がちゃんと動いていることです。
購入前には、エントランスや掲示板、管理人さんの対応ひとつにも注目してみてください。表に出ない部分にこそ、管理体制の「本気度」がにじみ出ます。見た目の豪華さより、運営の質にこそ目を向けたいところです。
温泉やプール付きの共用施設が充実している物件
共用施設がしっかり整っているリゾートマンションは、正直いって“当たり”の可能性があります。「買ってはいけない」と言われる中でも、温泉やプールがある物件は別です。
たとえば、大浴場が夜遅くまで使えるマンションでは、帰宅後にひとっ風呂浴びるのが日課になっていたという声もあります。プールやフィットネスジムが館内にあれば、わざわざ外に出なくても健康管理ができますし、共用ラウンジが充実している物件では、ちょっとした来客にも困りません。
もちろん、こうした設備がある分、維持費は安くはありません。管理費や修繕積立金は相応にかかります。けれど、毎月しっかり使っている人にとっては「コスパが悪い」と感じることは少ないでしょう。逆に、使わないのに支払いだけ続く場合は、不満が溜まりやすいという声もあります。
結局のところ、自分のライフスタイルに合うかどうか。温泉を楽しむ時間があり、運動習慣もある人にとっては、こうした施設が揃っている物件はかなり魅力的です。見た目の豪華さではなく、「どれだけ日常に組み込めそうか」を基準に判断すると、失敗は少なくなります。
自然環境を楽しめる眺望の良い立地にある物件
リゾートマンションの本当の価値って、部屋から見える景色にあると思います。目の前に広がる海、山、湖…。窓を開けた瞬間、深呼吸したくなるような景色がそこにあると、それだけで気持ちが軽くなるものです。
実際、オーシャンビューや高原に建つ物件は人気が高く、購入者の満足度も高めだと言われています。たとえば、伊豆の海沿いの物件では、朝は波音で目が覚め、夜は星空を眺めながら静かに過ごせるといった声も多いです。日々の疲れを癒すには、こうした自然の力が一番効くのかもしれません。
ただし、眺めが良い=立地が不便というケースも少なくありません。山あいの物件では、車がなければ生活できない環境もありますし、冬場は雪で閉ざされる地域もあります。景色ばかりを優先してしまうと、日常生活とのギャップに後悔する可能性もあります。
とはいえ、「非日常を楽しむための空間」として使うのであれば、眺望の良さは何にも代えがたい魅力です。「買ってはいけない」と言われる中でも、景色の力で満足度が変わることは、少なくありません。実際に足を運んで、五感でその場所を感じることをおすすめします。
買ってはいけないと言われるリゾートマンション購入に向いている人は?
「買ってはいけない」と言われがちなリゾートマンションですが、すべての人に当てはまるわけではありません。
実は、使い方や考え方によっては、ぴったり合うケースもあります。
ではどういった人には、リゾートマンション購入は向いているのか。
ここでは、買ってはいけないと言われるリゾートマンション購入に向いている人のタイプを具体的に紹介していきます。
週末だけ気軽に使いたい人
リゾートマンションを「毎日住む家」と考えると不安材料が多くなりますが、発想を変えて「週末だけの拠点」として見ると、評価はまるで変わります。
たとえば、普段は都市部で忙しく働いている人が、週末だけ自然に囲まれた場所で過ごしたいと思ったとき、リゾートマンションはその願いを手軽に叶えてくれます。
実際、管理面は想像以上にラクです。共用部の掃除や敷地内の管理は委託されているケースがほとんどで、現地についたら鍵を開けるだけ。片付けの手間もほとんどなく、ふらっと来てすぐくつろげる、そんな手軽さが魅力です。
もちろん、年中フル活用できる人には向いていませんが、月に数回だけ利用したい人にとっては、「買ってはいけない」どころか、「持っててよかった」と実感しやすい選択肢になります。
格安価格でセカンドハウスを持ちたい人
「とにかく安く週末用の拠点が欲しい」。そう考える方にとって、リゾートマンションは選択肢の一つです。
最近では、800万円前後の中古物件がちらほら出回っており、探せば500万円以下というケースも珍しくありません。とくに築年数が経過した物件ほど価格が下がる傾向が強く、「とりあえず持ってみたい」というニーズにはハマりやすいです。
ただ、購入後に発生する管理費や修繕積立金、固定資産税などのランニングコストは毎月じわじわ効いてきます。本宅とのダブル支出になるため、下手をすると家計を圧迫しかねません。気軽に持ちたいと思っても、財布に優しいかどうかは慎重な見極めが必要です。
それでも、「家族で年に何回か気ままに使えれば十分」というライトな使い方を想定しているなら、価格面での魅力は大きいです。将来的に貸し出したり、リフォームして売却したりといった出口戦略まで描けるなら、格安物件は十分アリだと思います。
老後のリラックス拠点が欲しい人
都会の喧騒から少し距離を置いて、自然の中で静かに過ごしたい。そう考える人にとって、リゾートマンションは意外と悪くない選択肢です。
「買ってはいけない」という声が目立つのは事実ですが、すべてのケースに当てはまるわけではありません。とくに、老後に限られた期間だけ静かな時間を過ごしたい人にとっては、むしろ向いている物件もあります。
たとえば、軽井沢や熱海のように温泉や自然に恵まれたエリアでは、週末や季節の変わり目だけ滞在するスタイルが定着しています。現地の生活コストも都市部に比べて抑えめな場合が多く、資産として保有しつつ、必要に応じて貸し出す運用も可能です。
もちろん、買う前には管理状況や医療機関の近さなど、老後ならではの視点でチェックすべき点もありますが、「静かに暮らせる場所を確保したい」という明確な目的がある人にとっては、コストと自由度のバランスがとれた選択肢になり得ます。
リゾートマンションなど物件購入で後悔しないための対処法5選
リゾートマンションの購入には魅力がある一方で、予想外の落とし穴も存在します。
特に「買ってはいけない」と言われる背景には、購入後に後悔する人が多いという現実があります。
だからこそ、「リゾートマンションなど物件購入で後悔しないための対処法5選」を事前に押さえておくことが非常に大切です。
ここで解説する対処法を参考に、購入前の冷静な判断にぜひお役立てください。
不動産会社に相談して詳しい情報を集める
リゾートマンションなど物件を買って後悔しないためには、自己判断に頼りすぎず、信頼できる不動産会社に早い段階で相談することが欠かせません。現地の物件事情を肌で知っている営業担当者なら、ネットでは出てこない管理組合の雰囲気や、将来必要になる修繕費の実情まで教えてくれます。
たとえば「価格が安い」と思っていた物件が、じつは管理費や修繕積立金が月々3万円を超えていたり、建物の老朽化が進んでいて今後高額な修繕が必要になるケースも。こうした情報は表には出てこないことが多く、プロに聞かなければわかりません。
不動産会社をうまく活用すれば、自分では見落としがちなリスクや、逆に掘り出し物のような優良物件に出会えるチャンスが広がります。購入の判断を急ぐ前に、まずは相談してみる。この一歩が、満足のいく買い物につながります。
管理費や修繕費の内訳を事前にしっかり確認する
リゾートマンションを購入する前に、必ず見ておきたいのが「毎月の管理費と修繕積立金が、何にどれだけ使われているか」という点です。価格が安い物件ほど、その裏に隠れている“維持コストの重さ”を見落としがちです。
たとえば、広さ60㎡の部屋なら、管理費と修繕積立金だけで毎月3万円を超えるケースも少なくありません(出典:マンション総合調査結果)。大浴場やプール付きの物件ならなおさらです。国土交通省のデータでも、リゾートマンションの管理費・修繕費は、一般の都市型マンションに比べて高めに設定されている傾向があります。
「思ったより安かったから即決した」という声もよく聞きますが、そうした方の多くが、後から“毎年50万円以上の出費が地味に重い”と嘆いています。
内訳を確認せずに契約するのは、いわばランチの値段を見ずにフルコースを頼むようなもの。「管理費に温泉設備の保守費用がどれだけ含まれているか」「修繕積立金の過去の使われ方や今後の計画はどうか」など、気になる部分は遠慮せずに質問しましょう。
不動産会社が提示する金額だけで判断せず、自分の生活スタイルに合った維持費かどうかを冷静に見極めることが、後悔しない選択への近道です。
築年数と大規模修繕の予定を確認しておく
「築年数」と聞いて、「まあ古いけど安いし……」と軽く流してしまうのはちょっと危険かもしれません。リゾートマンションの購入を考えているなら、建物の年数だけでなく、これまでに行われた修繕の履歴や、これから予定されている大規模修繕の計画までしっかりチェックしておきたいところです。
たとえば、築25年以上の物件。このくらいの年数になると、一般的には屋上や外壁、防水層、さらには給排水管といった建物の“心臓部”に手を入れる大規模修繕のタイミングを迎える頃。1回目はなんとか済んでいても、2回目となると費用は1.5倍~2倍に膨らむケースもあります(出典:マンション大規模修繕工事に関する実態調査)。特にリゾート地のマンションは使用率が低く、住民の合意形成も遅れがち。修繕計画が立ち遅れていたり、積立金が不足していたりするリスクもあるのです。
だからこそ、契約前に「修繕履歴はあるか?」「今後の修繕スケジュールは?」「積立金の残高と月額は妥当か?」この3点は最低限確認したいところです。
不安があれば、第三者の建築士に劣化診断を依頼するのもひとつの方法。安さに惹かれて勢いで決めてしまう前に、建物の“健康診断”を忘れずに。後から高額請求が来て、せっかくのセカンドライフが苦い思い出になってしまっては元も子もありません。
現地に足を運びアクセスや周辺環境をチェックする
リゾートマンションを検討するとき、カタログやネットの情報だけで判断してしまうのは少し危険です。画面越しでは伝わらない“暮らしの匂い”こそ、後悔しないためのカギになるからです。
実際に現地へ出向くと、駅からの道のりの傾斜、夜間の明るさ、人通りの多さ、近所にあるスーパーや病院の距離など、「生活」に直結する要素が見えてきます。たとえば、週末の午後に行ってみれば、観光客の混雑具合や道路の渋滞状況なども体感できます。地元の不動産担当者と一緒に歩けば、周辺事情についてリアルな声も聞けます。
アクセスや周辺の利便性は、リゾート物件であっても“使い勝手”に直結します。購入前に一度、足を運んで確かめてみる価値は十分にあると言えるでしょう。
賃貸や売却の可能性も視野に入れて検討する
リゾートマンションを手に入れたはいいけれど、思ったより使わなかった――そんな声、少なくありません。だからこそ、購入前に「貸す」「売る」可能性も頭に入れておくと安心です。
たとえば、賃貸に出せば家賃収入で毎月の管理費や修繕積立金をまかなえることがありますし、リフォームを施して利便性を高めれば需要も伸びやすくなります。実際、大手不動産会社の調査によれば、立地や設備がしっかりしている物件はセカンドハウス需要の高まりを背景に、流通市場でも健闘しているようです。
ただし、売却や賃貸がうまくいくかどうかは立地と管理状態に大きく左右されます。アクセスが不便だったり、共用部のメンテナンスが不十分なマンションだと、買い手も借り手も見つかりにくいのが現実です。
だからこそ、契約の前に、近隣エリアの賃貸需要や過去の売買実績をチェックしておくこと。信頼できる不動産会社に率直に「将来、貸したり売ったりできるか?」と相談してみるのが失敗を防ぐ第一歩です。購入後の自由度を確保するためにも、「出口戦略」は最初から練っておくべき視点といえます。
マンションなどの未公開物件情報を複数社から一括で受け取れる賢い方法とは
マンションなどの未公開物件情報を複数社から一括で受け取れる賢い方法があります!
【Q&A】買ってはいけないリゾートマンションに関するよくある質問
最後に買ってはいけないリゾートマンションに関するよくある質問をまとめました。
物件購入にあたっての不安や迷いを一つひとつ解きほぐしていきます。情報を整理し、納得のいく選択をするためのヒントとして活用してください。
リゾートマンションは定住禁止?それはなぜ?
意外と知られていない話ですが、リゾートマンションの中には「定住お断り」という管理規約を掲げている物件があります。
なぜそんな決まりがあるのかと言えば、そもそも短期滞在を前提に設計されているから。たとえば、ゴミの収集体制が整っていない、水道や暖房の供給が限定的、管理人が常駐していないなど、日々の暮らしを支える基本的なインフラが不十分なケースが多いのです。「別荘」としての役割に特化している分、年中住むには不向きなつくり。定住を考えているなら、まずは管理規約や周辺環境をしっかり確認するのが第一歩です。
マンションを買ってはいけないエリアは?
値段だけで選ぶと後悔する——これはリゾートマンション購入においても同じことが言えます。
たとえば、交通の便が悪く、バスが1日に数本しかないようなエリアや、商業施設・病院が極端に少ない地域などは、将来的に「誰も住みたがらないエリア」になる可能性があります。住んでも使いにくい、売ろうにも売れない。そんな立地では、リゾートどころか負債になることも。選ぶべきは、「人が来る理由がある場所」。観光地としての集客力や、アクセスの良さは、物件の価値にも直結します。
リゾートマンションが格安なのはなぜですか?
「え、こんなに安いの?」と驚く価格のリゾートマンション、確かに存在します。でもその安さにはちゃんと理由があります。
大抵は築年数が古く、設備の老朽化が進んでいたり、利用者が減って管理費の負担が一人あたりに重くのしかかったりしているのです。さらに、売却したくても買い手がつきにくい、いわゆる“流動性の低さ”も価格を押し下げる要因。つまり、「買ったはいいけど、手放せない」リスクがあることを、頭に入れておく必要があります。
湯沢リゾートマンションを買ってみた感想は?
新幹線でアクセスしやすく、スキーや温泉も楽しめる——そんな魅力にひかれて湯沢のリゾートマンションを購入する人は少なくありません。
ただ、実際に所有してみると「維持管理の大変さ」に驚く人も多いのが現実です。たとえば、雪かきが必須だったり、使わない時期でも高額な管理費が発生したり。さらに、部屋の湿気対策や換気も怠ると、あっという間にカビだらけになることも。購入前には“楽しい部分”だけでなく、維持する覚悟も持っておくことが大切です。
リゾートマンションに永住は本当に可能なの?
「いっそここに住んでしまおうか」──そんなふうに夢見る人も少なくないでしょう。
ただ、リゾートマンションでの永住には思った以上のハードルがあります。第一に、生活インフラが都市部のマンションとはまったく異なります。車がないとスーパーにも行けない。病院まで1時間以上。こうした環境が日常になるわけです。もちろん、それを「不便ではなく、自然と共に生きる豊かさ」と捉える人もいます。つまり、自分の暮らし方に本当に合っているか、そこを見極める必要があります。
「リゾートマンションはやばい」と感じる理由は?
「やばい」と言われるのには、それなりの理由があります。
多くの人が想定外に感じるのは、購入後にかかる維持費の重さと、自由に手放せない現実。住んでいなくても管理費と修繕費は毎月発生しますし、売ろうとしても買い手が現れない物件も珍しくありません。また、管理体制がずさんで、共用部分の劣化が進んでいる物件も多く、「買って後悔した」という声が後を絶ちません。価格だけで飛びつくのは、本当に“やばい”です。
リゾートマンションを賃貸で使うメリットは?
いきなり買うのは不安という人には、賃貸での利用がおすすめです。
たとえば月5~6万円ほどで借りられる物件もあり、年間数十日しか使わないなら、所有するより賢明な選択かもしれません。さらに、物件の雰囲気や周辺環境を実際に体験できるので、自分に合っているかを見極めるにもピッタリ。いきなり大きな買い物をする前に、まず“お試し滞在”してみる。そんな柔軟な選択肢があるのが、リゾートマンションの良いところです。
熱海のリゾートマンション購入で後悔する人の声は?
熱海は都心からのアクセスも良く、人気の観光地。だからこそ「安易に買ってしまった」ことで後悔する人もいます。
特に築年数の古い物件では、月々の管理費と修繕積立金が6~10万円になることも。それでも設備が整っているとは限らず、エレベーターや水道設備が頻繁に故障するケースも見られます。また、観光シーズン以外は閑散としており、生活の楽しみが少ないと感じる人も。華やかな印象に惑わされず、冷静な目でチェックすることが何より大切です。
まとめ:リゾートマンションは買ってはいけない理由と物件購入の対処法
リゾートマンションは買ってはいけない理由と物件購入の対処法をまとめてきました。
改めて、リゾートマンションを買ってはいけない理由をまとめると、
- 管理費や修繕積立金が高額になりやすく、維持費の負担が大きい
- 周辺環境や生活利便性が低く、定住には向いていない物件が多い
- 築年数が古く設備が劣化している物件は修繕リスクが高い
- 売却しようとしても買い手がつきにくく、資産価値が下がりやすい
- 「安さ」には裏があるため、事前調査と現地確認は必須
リゾートマンションは「非日常の拠点」として魅力的に映る反面、維持費や住環境、資産価値など現実的なリスクが多く潜んでいます。
軽率に購入を決めると、後から「リゾートマンションは買ってはいけない」と実感する可能性も高まります。冷静な判断が欠かせません。